開発責任者
HANDSON小林
ペパクラの印象を皆さんにお聞きすると「びっくりするほどよくできた紙の手作りキット」と言われます。何がよくできているかというと、完成したときに「よくできた」と達成感を味わうのはもちろんですが、意外に作りやすい「よくできた」設計だと思う、ということでした。はい、キットである以上は作りやすいべき、と思って設計をしていますので、怖がる(?)ことはありません。もちろん手強いポイントはありますが、プラモデルや手芸を手がけている皆さんにもそうでない皆さんにも、新ジャンルの趣味として楽しんでいただければ嬉しいです。
紙でここまでできるんです。ぜひ挑戦してみてください!
Q.ペパクラが誕生した背景は?

"ワールド・オブ・ストリングス"のチラシ
「クラシック・ワールド」というコンサートイベントのチラシデザインがきっかけです。弦楽器をテーマにしたイベントだったので、簡単なバイオリンペーパークラフトの展開図をグラフィックにしたのです。弦楽器を手にしたことがない人でも、切って作れば形の美しさを触って感じられる、というチラシでした。それが意外に好評で、ならばもっと押し進めてみようということになり、そしてペパクラが誕生しました。
ペーパークラフトで楽器というのは過去に例が少ないです。楽器の芸術的な形を再現できたらさぞ綺麗だろうと思いましたし、それが紙だったら驚きも大きいだろうと思って…。純粋につくってみたかったわけですね。


Q.ペパクラは難しそうですが誰でも作れるものでしょうか?
キットですから、誰でも作れることを心がけて設計しています。もちろん一般的な紙工作よりは難しいと思いますが、完成品を見た時に受ける印象ほどは難しくはないと思います。「紙なんだから、失敗したパーツは切って作ればいいや」というくらい気楽に、慌てずゆっくりと、作る時間を楽しんでください。


Q.開発のポイントやエピソードは?
最初に開発したのはバイオリンで、それを応用してチェロも出来ました。当初のディスカッションの段階では、もう少し「紙工作っぽい」ものになるはずでした。ところが、いろいろなところがどんどんリアルになっていったので驚きましたね。

◎実際の楽器を測る
まず楽器の形を写し取るために、実際のものに触れる機会をつくるのが意外に大変です。幸い、私たちがコンサート活動で関わった音楽家の方が協力してくださいます。


◎弦楽器のボディの膨らみ

テンションをかけて膨らみをつける
部分的には、まず弦楽器のボディに膨らみをつけるのが大きなポイントでした。はじめは切り目を入れなければ無理だろうと話していましたが、設計スタッフの独創性もあって切らずに出来ました。ペパクラを見た方がまず驚かれるのはココで、表面からはその仕組みが見えないため高度な技が必要なのではと誤解されますけど。


◎ボディの閉じ方
そして、ボディを「閉じた箱」にする方法も課題でした。
ここは一見「?」と思われるかもしれませんが、例えば閉じた6面体を紙でつくるのは意外に難しいのです。ましてやバイオリンやチェロのボディのように曲線と曲面をもった箱をつくるのはそれ以上に大変です。キットである以上は少しでも易しく、奇麗に作れなければなりません。その課題を解消するのにアイディアを絞り、現在のように「柱を立てて側面を最後に貼る」方法になったのです。


◎弦を張る方法

弦はペグで巻いて張る
バイオリンとチェロは、実際の楽器と同じようにペグを巻いて弦を張ります。そう説明すると「それはすごい。楽しい」「そこまでやるの」という反応をいただきます。しかしこの方法は初めから採用していたわけではなく、またリアルにしたいというこだわりというわけでもなく、必然性からそうなったのです。この方が弦が張りやすくできたため、開発の最終段階で改良した結果です。


◎ピアノの鍵盤

グランドピアノ鍵盤のクローズアップ
グランドピアノの鍵盤も改良を重ねたパーツです。黒鍵をなるべく高く持ち上げ、なおかつ作り易くする方法について工夫を重ねました。


◎偶然の結果プレカットを採用
ペパクラの特長である「プレカット」は、実は当初目指したものではありませんでした。試作を効率的にするためにカッティングプロッタ(コンピュータで描いた図形を紙に切る装置)を導入したのですが、輪郭線が残らない仕上がりが奇麗だったのでそのまま採用し「プレカットキット」として製品化しました。楽をするために始めたことが製品の特長になったわけです。


◎紙選び
そして、生産にレーザーカットを採用しましたが、ここにもポイントがありました。レーザーで物を切ると切断面に熱が加わり、木や紙の場合は焦げます。私たちは、焦げにくくてペーパークラフトにしても作りやすい、という紙を探すため、たくさんの紙をカットして試作、検証しました。そうして私たちは、数ある紙の中から最適なものを見つけ出しました。



Q.製品化しなかったものはありますか?
あります。たとえばバイオリン、チェロ、ベースの弓です。これは納得するクオリティに達しませんでした。そして楽器を納めるためのケースも、試作までは出来たのですがあまり意味がないという結論になり、製品化に至っていません。


Q.ペーパークラフトとの出会いは何でしたか?
子供の時に「切りぬく本(註:誠文堂新光社刊)」というシリーズに夢中になっていました。機関車や軍艦などがありましたが、宿題の合間に少しずつ作っていたのを思い出します。「このドリルを終わったら車輪を貼るんだ!」とか。その手の記憶が脳の片隅に残っていて、ペパクラに結びついたのだと思います。


(このページの内容はユーザーアンケートで多い質問への回答としてまとめたものです)
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